第1回公演《VOX BALAENAE くじらのこえ》ーフルートのラディカリズムー

George CRUMB の弦楽四重奏作品《BLACK ANGELS》を中心とした第0回公演《天使の系譜》に引き続き、現在clumusica〈クラムジカ〉第1回公演の準備中です。

1 《VOX BALAENAE》 くじらのこえ

今回のコンサートでも、George CRUMBの作品をとりあげます。
《VOX BALAENAE》(くじらのこえ)は増幅されたフルート、チェロ、ピアノの編成による、1971年の作品です。
この作品では、George CRUMBの独特の音世界はもちろんのこと、作曲者により演劇的な要素(照明、演奏者の小道具など)が指定されています。
このたび、京都三条において、ダンスや演劇、ショーや展覧会などさまざまなジャンルの公演がおこなわれるartcomplex1928との提携公演として、通常のコンサートホールでの公演とは趣を異にしたコンサートになりそうです。
様々な要素が複合的に反照しあう《VOX BALAENAE》を、artcomplex1928で上演する希少な機会ですので、ぜひみなさまご来場ください!

参考画像はこちら↓(映像を使った演出Ver.)

2 《Eleven Echoes of Autumn(Echoes I)》秋の11のこだま

George CRUMB作品をもうひとつ、今回は《Eleven Echoes of Autumn(Echoes I)》秋の11のこだま を演奏します。
こちらも照明の指定などが作曲者によって細かく指示され、演奏がすすむほど、照明も変化していきます。
CDだけでは感じることのできない、作曲者がのぞんだ音世界を現出させるべく、鋭意準備中です。
クラム作品は種々の条件によりなかなか実演が困難ですが、今回は2作品を同時に演奏します。
「現代音楽」という枠にとらわれず、さまざまな方にこの公演をお届けしたいと思います。


3 フルートの競演ーフルートのラディカリズムー

今回の作品では3人のフルーティストによる競演も聞きどころです。

現在ドイツ在住のアメリカ人フルーティスト、カミラ・ホイテンガさんはM・モイーズ氏に師事し、1981年のガウデアムス賞を皮切りに様々な現代音楽作品の演奏をこれまでに高く評価されています。現在は現代フィンランドの作曲家、サーリアホとともに、絵画と融合した新しいCDメディアを開発するなど、ひじょうに先鋭的な活動をされています。

清水信貴さんは桐朋学園音楽科にて野口龍氏に、またジュリアード音楽院にてニューヨークフィル首席フルート奏者ジュリアス・ベーカー氏のマスタークラスにて1位およびヘインズ・フルート賞を受賞、現在もさまざまなコンサート等でご活躍です。今回の目玉である《VOX BALAENAE》は、清水信貴さんにとって強い思い入れのある一曲で、この作品は清水信貴さんによる演奏を予定しています。

最後のおひとり、江戸聖一郎さんは京都市立芸術大学音楽学部を卒業後、フランス国立オールネイ・スー・ボワ音楽学校を審査員満場一致の一等賞を得て卒業し、京都市立芸術大学大学院を修了、現在は同大学院博士課程に在籍、またザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団のフルート奏者として活動されています。

今回はフルートを含む室内楽曲を5曲演奏しますが、それぞれの演奏者によるフルートの音色、演奏の先鋭性をお楽しみいただければと思います。

開催概要については、新しいエントリ―をご覧下さい。
ご来場、お待ち致しております!